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自動車の安全性能は新技術の開発・採用により、10年前と比較すると飛躍的に高まっています。
国土交通省(国交省)と自動車事故対策機構(NASVA)は、ユーザーが安全な自動車を選ぶことができるようにすることや、安全な自動車の開発をメーカーに促進させる目的で、新型車の自動車安全性能を毎年テストしていますが、2022年度の自動車安全性能評価が5月23日発表されました。
今回はその概要と、2022年度の評価結果について紹介いたします。
このページの目次
自動車安全性能評価の概要について
自動車安全性能評価は、次に挙げる3種類の安全性能について評価が行われ、ランクと点数で表されます。
また、3種類を集計した総合評価の満点は199点となり、★の数5つがいちばん安全性が高いとされています。
衝突安全性能(高い方からA~Eランクで評価・満点は100点)
事故時に乗員や歩行者を守る技術が評価対象になりますが、実際のテストでは、フルラップ前面衝突(正面衝突)、オフセット前面衝突(対向車との部分的衝突)、側面衝突の他に、衝突後の感電保護性能、追突時の頸部(けいぶ)保護性能、歩行者の頭部・脚部の保護性能の各項目に対してテストを行い、衝突安全性能評価がされます。
予防安全性能(A~Eランクで評価・満点は91点)
ドライバーを支援するための各種予防安全技術について評価が行われます。
評価の項目としては、衝突被害軽減ブレーキについては前方自動車との衝突、昼間と夜間の歩行者との衝突の他に、2022年度からは前方自転車との衝突が加えられました。
その他にも、車線逸脱(車線のはみ出し)抑制、後方視界情報(バックする際のバックビューモニターの見え方)、高機能前照灯(ヘッドライトの自動的な照射範囲変更など)、ペダル踏み間違い加速抑制装置といった幅広い項目についてテストが行われて評価がされます。
事故自動緊急通報装置(満点は8点)
エアバッグが開くような重大な事故が発生した際に、運転車や同乗者、目撃者の代わりに、自動的にコールセンターを通じて消防などに通報する装置についても評価の対象になります。
得点については、事故発生を自動的に緊急通報する「基本型」が2点、「基本型」に加えて乗員の傷害予測のための情報も送信する「先進型」の8点の2種類です。
昨年度は13車種が評価対象、果たしてその結果は?
ファイブスター賞を受賞した車種は?
2022年度の評価は普通乗用車7車種、軽自動車6車種の計13車種が対象になりましたが、その中で★が5個と最高の評価であるファイブスター賞は下記の7車種が受賞となり、総合得点が最も高いトヨタヴォクシー/ノアがファイブスター大賞を受賞しました。
- トヨタヴォクシー/ノア(総合評価186.44点)
- スバル・ソルテア/トヨタ・ bZ4X(総合評価186.16点)
- トヨタ・シエンタ(総合評価185.33点)
- 日産・サクラ(総合評価184.92点)
- ホンダ・ステップ ワゴン(総合評価183.92点)
- 三菱eKクロス EV(総合評価182.04点)
- トヨタ・カローラ クロス(総合評価179.68点)
なお、上記いずれの車種も衝突安全性能評価と予防安全性能が最高評価のA、事故自動緊急通報装置が「先進型」で8点満点を獲得しています。
惜しくも★5を逃してしまった車種
衝突安全性能評価や予防安全性能のどちらか一方でもB以下、または事故自動緊急通報装置が装備されていないため、惜しくも総合評価★4となってしまったのは、下記の6車種になります。
- マツダ・CX-60(総合評価188.68点)
- フォルクスワーゲン・ゴルフ(総合評価166.08点)
- ダイハツ・ムーヴキャンバス(総合評価161.04点)
- ダイハツ・ハイゼットカーゴ アトレー/スバル・サンバーバン/トヨタ・ピクシスバン(総合評価155.19点)
- スズキ・アルト/マツダ・キャロル(総合評価148.57点)
- スズキ・ワゴンRスマイル(総合評価147.36点)
まとめ
今回は自動車安全性能評価の概要と、2022年度の評価結果について紹介いたしました。
2021年度では総合評価★2の車種が存在しましたが、2022年度の評価では★3以下の車種はなく、自動車の安全性能が高いレベルに達しつつあるようです。
今後の自動車購入のご参考にしていただければと思います。
【参考】
● 自動車事故対策機構(NASVA)自動車安全性能2022」