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環境への問題を考慮して、電気自動車への転換が積極的に行われています。
その中でネックになっているのは電気自動車はガソリン車に比べて、日常的な使い勝手が悪いのではないかというイメージです。
こうしたイメージを払拭する社会実験をフランスの老舗メーカーであるルノーが行いました。
ルノーが人口25人の村に電気自動車を
ルノーは2020年7月24日に「Village Electrique(電気の村)」という企画を立ち上げ、人口が25人、自動車が11台の小さな村に自社の電気自動車「ZOE(ゾエ)」を3年間無償で貸し出しました。もちろん家庭用の充電器も提供しています。
「ZOE(ゾエ)」はバッテリーは蓄電容量が52kWhになっていて、最大で390kmの走行が可能ですね。
バッテリーの充電は出力7Kwの家庭用充電器で約9時間30分ほどで充電完了になっています。
出力50kWの急速チャージャーでは、145km走行分のバッテリー容量を約30分で充電でき、インフラ整備も問題ありません。
企画の舞台となったフランスのアリエージュ県にある「アピー」という村では、最寄りのパン屋には15㎞、スーパーマーケットは20km、学校には30km、都会に行くためには120kmもの距離がありました。
生活するためには車が必須となる村の車を全て電気自動車に変えた結果、半年たっても何も変わらなかったという結果が出ました。
電気自動車は日常的に使えることの証明に
何も変わらなかったというとネガティブな結果に感じるかもしれませんが、これは電気自動車はガソリン車やディーゼル車と同じように使うことができるという証明になるのです。
ルノーは半年間、現地で村人の様子を取材してドキュメンタリーを作成しました。その映像では村人は生活に不便を感じず、2600ℓのガスを減らして4tのCO2を削減に成功したことを示しています。
この取り組みは高く評価され、マーケティング業界に大きな影響力を持つ世界最大級の広告際「カンヌライオンズ2020~2021 アウトドア部門」でグランプリを受賞しました。
ドキュメンタリー映像は公開されると大きな話題を呼び、およそ1億5000万円分以上にも相当するメディア露出を手にすることにし、「ZOE(ゾエ)」の売り上げは50%も増加、ヨーロッパで最も売れている電気自動車になりました。
日本にルノーに続く企業はあるのか。日産は?
こういった社会実験を通して、普及するための宣伝をするのはとても面白いアイデアだと思います。
電気自動車の購入を悩んでいる人には、よい判断材料になるでしょう。日本でもインフラ整備が行われて使いやすい環境になってほしいですね。