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歩行者が渡ろうとしている信号機のない横断歩道の手前では、自転車を含む車両は一時停止して歩行者に譲ることが、道路交通法38条で義務づけられています。
違反した場合はドライバーに、反則金9,000円(普通車)と違反点数2点のペナルティが課せられますが、停止しないドライバーが相変わらず多いようです。
今回は2022年8月にJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が行った、信号機のない横断歩道での実態調査の結果を中心に紹介させていただきます。
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歩行者妨害の違反件数は増加傾向
警察庁によると2021年に歩行者がいる横断歩道の一時停止違反を含む、歩行者妨害による違反取締件数は325,796件と2020年よりも12.1%の増加となっており、5年連続の増加となっています。
この数字は違反取締件数全体の5.9%を占め、これは運転中の携帯電話使用による摘発よりも多い件数です。
また、1996年から2021年までの5年間では、自動車対歩行者の死亡事故件数の約70%は横断中の事故が占めており、そのうちの30%は横断歩道を横断中に発生しています。
このようなことから、横断歩道での歩行者妨害違反の取締りが強化されて、各所で行われていることが現状です。
調査結果は前年より改善へ
今回のJAFの調査では、各県で2か所ずつ計94か所にて、信号機が設置されていない横断歩道で月曜日~金曜日の平日のみ調査が行われました。
一時停止率の全国平均は39.8%の結果でした
今回の調査で信号機のない歩行者がいる横断歩道の手前で一時停止した車は、全国平均で39.8%の結果となりました。
2021年に行われた同様の調査では30.6%でしたので、9.2%の上昇となり過去最高を記録しています。
ただし、10台に6台は止まらない車があることが現状となりますので、改善されているとはいえ、決してよい数字とはいえないでしょう。
停止しない(できない)理由について
JAFが以前に行ったアンケート(複数回答有り)によると、信号機のない歩行者がいる横断歩道で停止しない(できない)理由の一番多かった回答は、「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから」の44.9%でした。
続いて「後続から車が来ておらず、自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから」が41.1%と2番目に多く、「横断歩道に歩行者がいてもわたるかどうか判らないから」が38.4%、「一時停止した際に後続車から追突されそうになる(追突されたことがある)から」の回答が33.5%と続いています。
都道県別では大きな格差がありました
一時停止率が一番高かったのは長野県でした
今回の調査で、最も一時停止率が高かった都道府県は、2021年に引き続いて長野県で82.9%と、全国平均の39.8%を大きく上回りました。
2番目に高かったのは兵庫県で64.7%、山梨県が64.6%と僅差で続いて、静岡県の60.8%、熊本県の57.3%、岐阜県の57.0%、青森県の56.7%と続いています。
今回の調査では一時停止率が50%以上であったのは18都道府県と、2021年調査の5都道府県を大きく上回る結果となりました。
一時停止率が一番低かったのは沖縄県でした
今回の調査で、最も一時停止率が低かったのは沖縄県で20.9%と、2021年の31.1%よりも低い数値となってしまいました。
続いて和歌山県が22.5%と低く、以下は京都府の23.5%、佐賀県の25.1%、北海道の25.2%、新潟県の25.7%、香川県の26.0%と続いています。
2021年の調査では一時停止率が20%以下の都道府県が7都道府県ありましたが、今回の調査ではゼロとなっていますので、その点では改善されたともいえるでしょう。
大切なのはハンドルを握る者としての責任感
今回は、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が行った、信号機のない横断歩道での実態調査の結果を中心に紹介させていただきました。
この調査は毎年行われていますが、2017年の調査では一時停止率が8.5%であったことを考えると、ドライバーの責任意識の向上などによって大きく改善されているともいえるでしょう。
今後も歩行者にやさしい、安全な運転を心がけていきたいものです。
【参考】JAF(一般社団法人日本自動車連盟) 『「信号機のない横断歩道」まだ60%が止まらない! JAF実態調査の結果を公表