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車を走行させる際に2008年からは、すべての座席でのシートベルト着用が義務化されていますが、後部座席においては着用されていないことが少なくないことが現状のようです。
そこで今回は、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が警察庁と合同で、2023年秋に全国892カ所で行われた「シートベルト着用状況全国調査」の結果を紹介いたします。
このページの目次
シートベルト非着用の罰則と危険性
シートベルトを着用しなかった際の罰則規定は、高速道路では後部座席の非着用も運転席や助手席と同じく違反点数1点が科せられますが、一般道では運転席と助手席のみ違反点数1点が科せられ、後部座席は口頭注意のみとされています。
ただし、後部座席シートベルトの非着用に一般道では罰則規定がないとはいえ、交通事故が発生した際には、着用時に比べて4.8倍(運転席は56.5倍)の致死率に達することからも非常に危険といえるようです。
また、事故時に後部座席の乗員が前席の乗員に激突して負傷させてしまう可能性もあることからも、後部座席のシートベルト着用は必須といえるでしょう。
一般道路でのシートベルト着用率について
全国での後部座席着用率は43.7%
今回の調査では、全国の一般道781カ所にて調査が行われましたが、運転席でのシートベルト着用率は99.2%、助手席が97.1%であったのに対して、後部座席においては43.7%と半数にも満たない着用率となりました。
後部座席でのシートベルト着用が義務化された2008年の調査では30.8%でしたので、15年間で13%ほどしか着用率が改善されていないようです。
都道府県別での着用率
都道府県別で着用率をみてみると、運転席では最も低い茨城県でも97.7%ですので、都道府県によっての着用率には大きな差はありませんでした。
一方で後部座席での着用率は、最も低かったのは沖縄県で12.6%、鹿児島県が30.2%、愛媛県の32.8%と続いています。
逆に後部座席での着用率が最も高かったのは群馬県で62.7%と唯一60%を超え、山梨県の59.3%、岩手県が56.4%といった結果になりました。
このように、一般道における後部座席での着用率については、都道府県によって大きな差があるようです。
高速道路等でのシートベルト着用率について
全国での後部座席着用率は78.7%
今回の調査では全国104カ所の高速道路等で調査が行われましたが、運転席でのシートベルト着用率は99.6%、助手席が98.6%と高い着用率であったのに対して、後部座席では罰則規定があるにも関わらず78.7%と4台に1台近くが非着用と低い着用率となりました。
また、後部座席でのシートベルト着用が義務化された2008年の調査時では着用率が62.5%でしたので、15%ほど改善されたといえるようです。
都道府県別での着用率
こちらも都道府県別でみてみると、運転席では北海道や宮城県、秋田県など9道県で100%の着用率となっており、最も低い大阪府でも97.8%と高い着用率となりました。
一方で後部座席の着用率は、沖縄県の52.8%が最も低く、東京都の65.9%、長崎県が66.4%で続いています。
逆に後部座席の着用率が高かったのは、岩手県が94.0%で最も高く、新潟県の91.8%、島根県が91.7%で続き、6県で着用率90%を超えました。
このように、高速道路等でも一般道と同様に都道府県によって、後部座席での着用率に大きな差があることが判明しています。
まとめ
回は、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)が警察庁と合同で、2023年秋に全国892カ所で行われた「シートベルト着用状況全国調査」の結果を中心に紹介いたしました。
今回の調査結果からは、運転席や助手席のシートベルト着用は、ほとんどのドライバーが行っているようですが、後部座席にいたっては未だに着用率が低いことが判明いたしました。
交通違反であることや交通事故に遭った際の安全面での問題だけでなく、事故で被害者になった際にも、シートベルトが非着用であった場合は相手から受ける損害賠償額が減額されるなど、シートベルトを着用しないデメリットは計りしれないものです。
運転席や助手席だけでなく後部座席のシートベルト着用も、徹底したいものですね。
【参考】
● JAF(一般社団法人日本自動車連盟)「一般道路の後席シートベルト着用率は43.7% 今なお低い、後席シートベルト着用の意識」