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車検は自動車が道路運送車両法で定められている安全・環境基準に達しているかをチェックする検査になります。
自動車を公道で走行させるためには定期的な検査を必ず受ける必要があり、安全で快適な交通環境を守るために欠かせないものです。
しかし、必要な検査を行わず、簡素化した検査で車検を通す「不正車検」がホンダ販売店で行われたことがわかりました。
ホンダ販売店で1187台が不正車検
5月31日に国土交通省関東運輸局は、車検業務で不正があったとしてホンダカーズ東京中央の1店舗の指定自動車整備事業の指定から取り消したことを発表しました。
今回の調査で1187台が必要な検査を受けずに車検を通ったことがわかりました。
不正を行ったホンダカーズ東京中央の王子店の従業員からの申告を受けて、内部調査を行い、不正の事実が確認されたため、国交省に報告したことで今回の処分に至りました。
王子店では、2020年8月か2021年12月の間で車が直進するかどうかを確かめる「サイドスリップ検査」で車が横ずれしないよう装置を固定して操作を行い、ブレーキや速度計などの性能検査を怠っていました。
不正車検の背景には整備士不足が
不正車検の問題はホンダだけが努力をして解決に向かう問題ではありません。
今年の2月にトヨタ自動車の系列販売会社の10人が不正に車検を通した容疑で書類送検されており、昨年もトヨタ自動車系列の15社16店舗で不正車検が行われたことで車検の指定取り消しや、車検業務の停止などの行政処分がありました。
不正車検が起きる背景には自動車整備士の不足と、車検の効率化を求める経営側の意向もあります。
整備士は減少している傾向にあり、賃金の低さや労働環境の厳しさから若年層の採用者が少なく高齢化が進んでいるため人材不足は深刻になっていきそうです。
車検を含めた整備部門は早く正確に行い、収益を上げたいというのが経営陣の本音になると思います。
近年では自動ブレーキなどの安全運転システムも導入され、点検項目は増えている傾向にあり、整備士の負担は増大する一方です。
一度、車検制度のあり方や人材確保に向けた行動を起こさなければ、今回のような問題は無くなることはないでしょう。
車検の不正は車の安全性に直接影響
不正車検が行われると自分の車は大丈夫なのか?安全に乗り続けられるのか?と不安になってしまいますよね。
整備士不足や効率化を求める世論もあり、苦しい状況になっていますが、業界全体の信頼を落とす可能性があるのでメーカー同士が協力して整備部門の体制を見直してくれることを期待せざるを得ないのですが、国も各メーカーに任せるだけでなく、きちんとイニシアチブを執る必要があるでしょう。