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緊急車両(緊急自動車)といえば、パトカーや救急車、消防車を思い浮かべる人が多いかと思われますが、その他にもハイウェイパトロールカーや血液運搬車、ガス・電気会社の緊急作業車両など、その種類は数多くあります。
これらの共通点は、赤色回転灯を点けてサイレンを鳴らすことで緊急走行ができることになりますが、身近な存在にも関わらず意外に知られていないことが多いようです。
今回は、緊急車両(緊急自動車)にまつわる豆知識を紹介させていただきます。
このページの目次
緊急車両(緊急自動車)には、法令でさまざまな規定があります
緊急車両(緊急自動車)として使用するには、公共・公益的な機関の自動車であることと同時に、公安委員会の指定または届け出をすることが必要です。
それに加えて、緊急用務を遂行する目的で、赤色回転灯を点灯させサイレンを鳴らして、赤色回転灯を回して走行をする必要があります。
そのため公益性をもたない一般車両が、赤色回転灯を点けてサイレンを鳴らしながら走行することは、違法行為で罰せられますので注意しましょう。
また、使われる車両にも基準があり、赤色回転灯は緊急車両の前方300mから確認ができる必要があり、サイレン音に関してもクルマの前方20mの距離で90デシベル以上120デシベル以下の音量が必要になります。
なお、ボディ色に関しても、消防車は朱色、救急車は白色、それ以外の車両は制限がないなどの規定があるようです。
緊急走行時の制限はあるの?
緊急車両(緊急自動車)には優先通行権があります
道路交通法によって緊急自動車には、赤信号での交差点通過や通行禁止道路での通行、車両の右左折方法や指定通行区分に従わない通行、追い越し禁止場所での追い越しなど、優先通行権が認められています。
そのため、一般車が緊急走行中の車両の通行を妨害してしまうと、道路交通法違反になりますので気をつけましょう。
緊急車両(緊急自動車)にも制限速度は一部例外を除いて存在します
実は緊急車両(緊急自動車)にも速度制限があり、高速道路では一般車と同じ最高時速100㎞ですが、一般道では時速80㎞まで出すことが可能です。
また、パトカーは例外的に違反車の取締りや追跡をする際には、速度制限を守らなくてもよいとされていますが、さらに速度違反取締りの時などは回転灯やサイレンも鳴らすことも不要となります。
緊急車両(緊急自動車)を運転するには何が必要?
緊急車両(緊急自動車)の運転免許証はありません
緊急自動車を運転するには、パトカーなどの普通車であれば普通自動車運転免許を持ち取得後2年以上、大型車の消防車であれば大型運転免許を持ち、21歳以上で普通自動車以上の免許取得後3年以上であれば、法律的には運転可能になります。
ただし、消防署や警察署などそれぞれに内部での資格や訓練が必要なので、運転免許があれば誰でも運転できるといったものでもないようです。
一般車でも緊急走行ができることもあります
あまり知られていませんが、たとえば急病人を乗せて病院に向かう一般車が、緊急走行するパトカーなどに先導される場合は、一般車両も例外的に緊急走行が可能になります。
救急車やパトカーの謎
救急車のサイレン音だけ「ピーポーピーポー」の謎
救急車も1970年以前は消防車やパトカーと同じく、「ウーウー」のサイレンをけたたましく鳴らして走行していました。
1970年代に、搬送される患者さんの精神的不安を和らげるため、他の緊急自動車と区別がつきやすいなどの理由から、現在の「ピーポーピーポー」に変更されたようです。
ただし、赤信号で交差点を通過する時などは、周りに注意を促すために「ウーウー」とサイレンを鳴らして走っていますね。
パトカーには高速料金が無料と有料の場合があります
パトカーに限らず緊急自動車が赤色灯緊急走行をする際には、高速料金は法律で無料とされています。
ただし、高速道路交通警察隊のパトカーは高速道路上の安全を警らする目的のため、通常走行時も高速料金は無料で走行可能です。
また、一般のパトカーも要人警護や緊急の用務のために通行する際は無料になりますが、会議への出張のためなど緊急の用務でない時には車載のETCで、高速料金が支払われています。
パトカーの色が白黒の理由
パトカーが登場してしばらくは、現在の救急車と同じく白一色でした。
現在の白黒に統一されたのは1956年頃のこと、白色では一般車と見分けがつかないなどの理由から、当時は舗装路が少なかったため汚れが目立たない黒色がボディ下部に採用されたようです。
まとめ
今回は緊急車両(緊急自動車)にまつわる豆知識を紹介させていただきました。
日常生活の中であまりお世話になりたくないパトカーや救急車などの緊急自動車ですが、お読みいただいたことで少しでも親しみを持っていただければと思います。
少し前述しましたが、緊急自動車が緊急走行をして赤信号を通過する際に、停止しないドライバーが少なくないようですが、道路交通法の「緊急車妨害等違反」になり、違反点数1点 反則金6000円(普通車)が課せられますので、ハンドルを持つ身としては気をつけたいものです。
【参考】
● 国土交通省:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示