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「うるさい」「黒煙がすごい」というのが大半の人がディーゼル車に抱くイメージだと思いますが、実際日本は世界一ディーゼル車の規制が厳しい国です。
そんな厳しい規制をクリアしたディーゼル車が「クリーンディーゼル車」。
しかしクリーンディーゼルになったと言ってもやっぱり風当たりは厳しい。
そこで今回はクリーンディーゼル車を購入するメリット・デメリットや買取額の推移、そして今後のクリーンディーゼルについて考えていきたいと思います。
クリーンディーゼル車はこうやって生まれた
ではまずクリーンディーゼルってどういう車なのかイマイチ知らない方のために、クイーンディーゼルが誕生した歴史を紐解いていきましょう!
燃費効率がよく商用車には欠かせなかったディーゼル車
ご存知の通り、ガソリン車と違い、ディーゼル(軽油)で走るのがディーゼル車。
ガソリン車とディーゼル車のエンジンの違いは説明されてもよくわからないと思いますので専門のサイトにお任せして割愛しますが、ディーゼルエンジンは、ガソリンよりも燃料が安く燃焼効率が良く燃費も良い。
低回転でもトルクがあるので乗用車を初め、トラック・バスなどに多く搭載されて運輸業や旅客業には欠かせないものでした。
環境問題が懸念されはじめ、ついに法改正
しかし、問題になったのが「黒煙」に連想される環境問題でした。
排出されるガスの二酸化炭素はガソリン車よりも少ないのですが、燃え残りの粒子状物質(PM)や窒素化合物(Nox)の量が問題視されました。窒素化合物(Nox)は、光化学スモッグ・酸性雨の原因にもなります。
その為、1992年に都市圏を対象に自動車Nox・PM法が施行され基準値に適合しないと車検が通らなくなりました。
1999年には東京都がディーゼル車No作戦を制定して「ディーゼル車に乗らない・売らない・買わない」などディーゼル車の追い出し作戦が始まりました。
さらに、2003年に東京と大阪などでディーゼル車規制条例が施行され環境規制に適合しない商用ディーゼル車は走行すら許されなくなりました。
ディーゼルの巻き返し!クリーンディーゼルの誕生
排気ガスによる問題が深刻化している中、ディーゼル車の巻き返しが始まります。
ディーゼルエンジンの粒子状物質と窒素化合物を減らすため、技術革新による燃料の噴射システムや低圧縮ディーゼル、排出される物質を減らすDPFと呼ばれるフィルターなどを進化させ、ガソリン車並の基準値を達成しました。
ポスト新長期規制と呼ばれる最も厳しい基準をクリアすることに成功したディーゼル車が認められ、現在販売されている「クリーンディーゼル車」になります。
現在のディーゼルは古いイメージにあった「うるさい・黒煙」などなく、従来のディーゼルの者はもちろんガソリン車と同等かそれ以上の環境性能を持つことになりました。
クリーンディーゼル車を購入するメリット・デメリット
続いてはクリーンディーゼル車のメリットとデメリットを考えてみたいと思います。
最もメリットになる点は燃料が安いこと、CO2の排出量が少ないこと、そして耐久性に優れていること。耐久性の点では、走行距離で例えると約2~3倍ガソリン車より走行しても丈夫なエンジンと言えます。
デメリットは、振動・音。昔のディーゼルほどでは無いにしろガソリン車に比べると気になりますかね。
また、ディーゼルは排気の煤(すす)が溜まるので一定期間ごとに清掃・交換が必要になります。
車体価格も若干、クリーンディーゼルの方が高くなるのもデメリットですね。
クリーンディーゼル車の補助金について
クリーンディーゼル車は国が補助金を用意しているいます。これもクリーンディーゼル購入のメリットの一つ。
ただクリーンディーゼルに限ったことではありませんが、補助金と言うのは国の予算から捻出されるお金なのでそのうち無くなります。
予算が減れば受けられる補助金も減ってきます。それは、年々顕著に出てきています。
では現在クリーンディーゼル車の補助金をまとめてみました。
CX-315.000~29.000円日産NV350キャラバン8.000~33.000円
メーカー | 車種 | 補助金 |
---|---|---|
トヨタ | ランドクルーザープラド | 46.000円 |
ハイエース/レジアスエースウェルキャブ | 26.000~39.000円 | |
マツダ | アクセラスポーツ/セダン/ワゴン | 18.000~28.000円 |
三菱 | パジェロ | 26.000円 |
BMW | ALPINA XD3 BITURBO | 150.000円 |
プジョー | 308 | 26.000円 |
レンジローバー | レンジローバー | 15.000~24.000円 |
現在の補助金は次世代自動車振興センターで確認できます
クリーンディーゼル車の補助金は、ピーク時から見てほぼ半額に減っています。補助金が増えているのは、PHV(プラグインハイブリッド)だけと言っても良いですね。
クリーンディーゼル車の気になる今後の買取額や市場について
それではクリーンディーゼル、ディーゼルエンジンの市場はどうなっていくのか考えてみましょう
今後のクリーンディーゼルは?
何かと風当たりの強いディーゼルエンジンですが、ディーゼルエンジンが無くなることはないでしょう。
なぜなら重油からガソリンを精製する際にディーゼルも必ず作られるからです。
ただディーゼル車に関して言えば、発展途上国ではまだまだ現役ではあるものの、日本やヨーロッパでは厳しい規制によって衰退しているのは事実です。
多くの自動車メーカーもコスト面や規制によってディーゼル(クリーンディーゼル)から撤退しています。
これに輪をかけるように2020年にヨーロッパで非常に厳しい排ガス規制が始まります。
2020年の排ガス規制の基準は非常に厳しいうえ、基準をクリアしていないメーカーには数100万ユーロ単位の罰金が発生するというとんでもない規制。
しかも、日本でも同等の規制が設けられると噂されています。
もう高いコストを掛けてまでクリーンディーゼル車を作るメリットを各自動車メーカーが感じないのも無理はありません。
しかしマツダがこの2020年の排ガス規制に打って出ると発表しました。
ディーゼルエンジン車の販売に強烈な逆風が吹く中、マツダが再興にのろしを上げた。新開発の排気量1.8Lのディーゼルで、尿素SCR(選択型還元触媒)を使わずに、2020年から欧州で始まる厳しい排ガス規制を達成する見通しであることが分かった
引用:日経 xTECH
マツダがこディーゼルエンジン開発に成功すれば、モデルケースとなり再びクリーンディーゼルにも明るい未来が訪れる可能性は大いにあります。
ですから今後のディーゼルの未来は「マツダにかかっている」といってもいいのではないでしょうか?
クリーンディーゼル車の買取額の推移は?
逆風真っ只中のクリーンディーゼル車ですが、中古車市場では流通量がまだ整っていないため高額査定されることが多くみられます。
その為、クリーンディーゼルの買取額も高めに設定されています。
しかし、これはあくまでも現状。
最大のライバルであるPHV(プラグインハイブリッド)やEV(電気自動車)が補助金を初め国を挙げて普及に後押しをしている感があります。
PM・Noxに関しては、現在ガソリン車とあまり変わらない水準でCO2排出量はガソリン車よりも少なくなっているものの、PHVやEVに比べると今後はやっぱり分が悪いのが現状。
ですから買取相場が高く厳しい規制が始まる前に、売ってしまうが得策かもしれません。