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今年の冬も北海道や東北地方を中心に、各地で道路の積雪による事故が数多く発生しています。
これらの事故の多くはタイヤのスリップが原因ですが、冬場の運転で事故に遭わないようにするためには、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの装備を行うことが基本です。
また、積雪がなくても凍結による事故も多く発生していることから、冷え込みの厳しい朝などは、積雪がないからと決して安全とはいえません。
そこで今回は、JAFが行った夏用と冬用タイヤによるブレーキテストのほか、積雪路での走行や危険なブラックアイスバーンの注意点を中心に紹介していきます。
このページの目次
ノーマルタイヤでの雪道走行は法令違反
「うっすらと雪が積もっているだけだから」と、ノーマルタイヤで出掛けてしまい、途中で思わぬ積雪でスタックしてしまう。
冬場にありがちなトラブルですが、スリップ事故の原因になるほか、渋滞を発生させる原因になるなど危険で迷惑な行為です。
また、積雪路や凍結路でのでの走行は各都道府県の公安委員会によって、冬用タイヤなどの装着が規定されており、ノーマルタイヤのままでの走行は法令違反になってしまいます。
そのほかにも、車のルーフに大量の雪を載せたまま走行する光景を、積雪の多い地域などでは見かけますが、落ちてきた雪が視界を遮ることや、路上に落下して後続車に危険を及ぼすなど事故につながることから、一部の地域では法令違反とされています。
積雪路や凍結路でのタイヤによる違い
積雪路はノーマルタイヤでは止まれない!
以前にJAF(一般社団法人日本自動車連盟)が行った圧接路でのテストでは、テスト車両が時速40kmからブレーキをかけて停止するまでの制動距離は、ノーマルタイヤ装着では停止するまでに29.9m、スタッドレスタイヤ装着で17.3m、オールシーズンタイヤ装は22.7m、タイヤチェーン装着(ノーマルタイヤ+非金属タイプ装着)では28.4mとの結果になりました。
このテストから、最も制動距離が短いスタッドレスタイヤ装着に比べ、ノーマルタイヤ装着時は約1.7倍も制動距離が長くなることが判明しています。
また、タイヤチェーン装着車はチェーンの種類や使用するタイヤによっては、スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤに比べて、圧雪路での制動力では劣るようです。
氷盤路(凍結路面)ではタイヤチェーンが有効
JAFが前述の圧雪路と同時に行った氷盤路でのブレーキテストでは、時速40kmからの制動距離は、ノーマルタイヤ装着では停止するまでに105.4m、スタッドレスタイヤでは78.5m、オールシーズンタイヤ装着で101.1m、タイヤチェーン装着(ノーマルタイヤ+非金属タイプ)では59.0mの結果となりました。
氷盤路では、タイヤチェーン装着が最も制動距離が短く、ノーマルタイヤとオールシーズンタイヤでは、100mを超す制動距離が必要で、危険を感じてからブレーキをかけてもまったく間に合わないことが判明しています。
ブラックアイスバーンは積雪路以上に危険
ブラックアイスバーンとは
積雪地だけでなく比較的温暖な地域でも発生する、冷え込んだ朝などに路面の融けた雪や雨などの水分が凍ってしまった凍結路を、ブラックアイスバーンと呼びます。
積雪路に比べてはるかに滑りやすく、遠くからは水で濡れた路面と見分けがつきにくいため、ついスピードを落とさずに進入してしまうことから、大きな事故にもつながりやすい危険度がたいへん高い凍結路といえます。
ブラックアイスバーンが発生しやすい状況
ブラックアイスバーンが発生しやすい場所としては、橋や高架などの上のほか、トンネルの出入り口、日陰になった場所など、さまざまな場所が挙げられます。
このような場所は周りよりも路面温度が低いことから、路面の水分が乾きにくいため凍結が起こりやすく、積雪がなくても雨が降って数日経った後の冷え込んだ朝などにも発生することがあるので注意が必要です。
ブラックアイスバーンの危険を避けるためには
0℃以下に冷え込んだ朝などに走行中、前方に水で濡れているような場所を発見した際には、ブラックアイスバーンを疑って、慎重な走行することが必要といえます。
特に、周りの車が必要以上に速度を落としている時や、何かを避けようとしている時などは要注意です。
少しでも疑わしい時は、いつでも止まれる速度に落として、車間距離を大きく取って運転するようにしましょう。
もしブラックアイスバーンに進入してしまった場合、あわてて急ブレーキを踏むことや、急なハンドル操作をしてしまうとスピンする恐れがありますので、急のつく動作は厳禁です。
まとめ
今回は、JAFが行った夏用と冬用タイヤによるブレーキテストのほか、積雪路での走行や危険なブラックアイスバーンの注意点を中心に紹介いたしました。
ノーマルタイヤでの積雪路での走行がいかに危険か、また積雪地でなくても発生するブラックアイスバーンの危険性が、おわかりいただけたかと思います。
冬場に安全な走行をするためには、冬用タイヤの装着など事前の準備と、ブラックアイスバーン発生などの危険を感じた際には安全な速度を落とすなど、ドライバーの慎重さが、他の季節以上に求められるといえるでしょう。
【参考】
● JAF(一般社団法人日本自動車連盟)「走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ(JAFユーザーテスト)」