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運転免許証の有効期限欄の下に「免許の条件等」と書かれた欄がありますが、視力によっては「眼鏡等」と記載されていることや、AT車限定免許の場合は「普通車はAT車に限る」などと記載されています。
これらは運転免許の限定や条件と呼ばれていますが、教習所での所定の教習、手続きや審査を受けることで限定や条件を解除することが可能で、特段、難しいとされているものではありません。
今回は、限定免許の種類と限定解除の方法に加えて、「眼鏡等」の条件解除について解説いたします。
このページの目次
AT限定免許でMT車を運転すると違反になります
もし、AT限定免許でMT車を運転してしまうことや、「眼鏡等」と記載されているのに裸眼で運転してしまうなど、免許証の限定や条件に違反してしまうと、無免許運転にはなりませんが、免許条件違反として普通車の場合では反則金7,000円に加えて、違反点数2点が科せられてしまいます。
ただし、普通車免許しかないのに大型車を運転など、免許種類が違うクルマを運転した場合は無免許運転になってしまいますので注意しましょう。
意外に多い限定免許の種類
AT車限定免許は難しくない
限定免許の中でもっとも多いのが「普通車はAT車に限る」と記載された、AT車限定免許です。
MT車を運転するために限定解除は決して難しくはありません。
具体的には以下の2つの方法があります。
- 運転免許センターで技能審査を受ける方法
- 自動車運転教習所で技能講習を受ける方法
一般的には、教習所で技能講習を受ける方法を選んでいる人が多いようです。
4~6時限ほどの限定解除教習(教習所内走行のみ)を受講後に審査を受けて、合格後に「技能審査合格証明書」を受け取り、運転免許センターで書類手続きを行うことで限定解除をすることが可能です。
教習の費用はかかりますが、慣れないMT車の操作も必要なことから、MT車の操作が不安な人は教習所へ通うことをおすすめします。
準中型5t限定免許・8t限定中型免許
2017年3月に準中型免許が新設された限定免許ですが、2007年6月2日~2017年3月11日の期間に普通免許を取得して免許更新をした人は、免許証に「「準中型車は準中型車(5t)に限る」と記載されています。
車両総重量5t未満、最大積載量3t未満、乗車定員10名以下の車両が運転可能ですが、限定解除を行うことによって車両総重量7.5t未満、最大積載量4.5t未満、乗車定員10名以下の車両を運転することが可能です。
また、2007年6月1日以前に普通免許を取得された人については、車両総重量8t未満、最大積載量5t未満、乗車定員10人以下」の車両が運転可能な、8t限定中型免許として「中型車は準型車(8t)に限る」と免許証に記載されています。
こちらも限定解除を行うことで、車両総重量11t未満、最大積載量6.5t未満、乗車定員11人以上29人以下の車両を運転することが可能です。
なお、限定解除の方法としてはAT車限定免許と同様に、運転免許センターで技能審査を受ける方法と、自動車運転教習所で技能講習を受ける2つの方法があります。
サポートカー限定免許
2022年5月に新設された運転免許で、AT車限定免許と同様に運転できる車種が限られており、決められた安全運転支援装置が搭載された車両のみ運転できます。
なお、サポカー限定免許で運転できるクルマには、「衝突被害軽減ブレーキ(対車両、対歩行者)」と「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の2つが搭載されていることが必要です。
また、サポカー限定免許は普通免許に限りますが、運転免許センターや一部の教習所で技能審査に合格することで、限定解除することも可能です。
他にも限定免許は数多くあります
今回紹介したもの以外にも、自衛隊の大型車のみ運転ができる「自衛隊車両限定大型免許」や、カタピラがついた大型特殊車両のみ運転できる「カタピラ限定免許」など、限定免許の種類は数多く存在しています。
免許の条件「眼鏡等」について
「眼鏡等」の条件は車種によって違う
免許証を取得または更新する際には視力検査が行われますが、原付では両目で0.5以上、普通車第一種であれば両目で0.7以上、かつ片方の目でそれぞれ0.3以上の視力がないと、運転時には眼鏡やコンタクトレンズで視力の矯正が必要な、「眼鏡等」の条件が免許証に記載されます。
また、大型免許や二種免許ではさらに条件が厳しく、両目で0.8以上かつ片方の目でそれぞれ0.5以上が必要です。
「眼鏡等」は条件解除が可能です
レーシック手術などで視力が回復しても、「眼鏡等」の条件が免許証に記載されている場合には、裸眼で運転してしまうと免許条件違反になってしまいます。
そこで条件解除が必要になりますが、免許更新時であれば裸眼であることを伝えて視力検査に合格することで条件解除が可能です。
また、更新時以外の場合は、運転免許センターまたは免許更新を行っている警察署で、申請書を提出後に視力検査を受けることで、無料で免許の裏面に条件解除した旨を記載してもらえます。
まとめ
今回は、限定免許の種類と限定解除の方法の他に、「眼鏡等」の条件解除について解説いたしました。
限定解除といえば、自動二輪の中型(400cc)以下限定から限定なしへの変更を思いつく人も多いかもしれませんが、現代ではAT車限定免許や準中型5t限定免許や中型8t限定免許の解除を指すことが多いようです。
最後に本文中にも解説しましたが、仕事の都合などでMT車運転しなくてはいけないこともあるかと思いますが、必ず限定解除をしてから運転をするようにしましょう。
【参考】
● 指定自動車教習所の教習の標準について(通達)|警察庁