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JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は、2023年10月23日付で過去に行った自動車ユーザーへのアンケート調査結果をもとに、「2024年度税制改正に関する要望書」を公開しました。
この要望書では、現状における自動車税制の問題点を指摘しており、自動車ユーザーの税による負担軽減を求めるものです。
今回は、JAFが作成公開した要望書の内容について紹介いたします。
このページの目次
ほとんどのユーザーが税金を負担に感じている
2023年にJAFがユーザーに対して行った「自動車税制に関するアンケート調査」では、過去最高となる189,285名(前年135,282名)の回答を得ました。
その中で自家用自動車にかかる税金についての質問では、全体の98.4%のユーザーが「負担になる」と回答しています。
また、ガソリン税にかかる消費税についての質問でも、89.9%のユーザーが「ガソリン税に消費税がかからないようにするべき」と回答されました。
その他にも、ガソリン税に当分の間として上乗せされている特例税率についての質問でも、「反対」または「どちらかといえば反対」を選んだユーザーが94.4%に達しています。
JAFのまとめた要望事項について
環境性能割の廃止
環境性能割は2019年9月に廃止された自動車取得税と入れ替わりに、同年10月より導入された税制で、燃費性能に応じて車両価格の0~3%(軽自動車は0~2%)が、自動車を購入または譲り受けた年度にかかる税金です。
JAFではアンケート調査で「廃止すべき」、「税率を下げるべき」と回答したユーザーが80.9%に達していることから、税率もほぼ変わらない自動車取得税の付け替えにあたるとして廃止すべきと提言しています。
自動車重量税の廃止
自動車重量税は新規購入時や車検更新時に、車検有効期間分をまとめて納入する税金ですが、元々は道路特定財源として道路の整備などに充てられていましたが、2009年の税制改正で道路特定財源は一般財源化されてしまいました。
JAFでは一般財源化された時点で、道路整備に充当するという課税根拠がなくなっていることからも、廃止を求めています。
なお、アンケート調査では「自動車重量税は廃止すべき」と回答したユーザーが53.4%と、全体の半数を上回りました。
当分の間税率の廃止
現在のガソリン税は、本来の税率1Lあたり28.7円に特例税率が上乗せされており、1Lあたり53.8円が課税されています。
この特例税率は1974年に道路整備の財源不足から暫定的に付加されたものであることから、「当分の間税率」とも呼ばれるものです。
2009年の道路特定財源が一般財源化された後も、引き続き課税され続けていること、また論理的な説明もなく追加負担を強いられていることから、「当分の間税率」を直ちに廃止することを求めています。
ガソリン税への消費税課税の解消
ガソリンに対する消費税は、ガソリン本体の価格にガソリン税を加えた金額に課税が行われているのが現状です。
つまり、税金に税金がかけられるという、「Tax On Tax」といった不可解な形になっており、ガソリン価格高騰によるユーザーへの負担増からも、JAFは早急に解消するように求めています。
自動車税・重量税の重課措置の廃止
新車新規登録から13年を経過した自動車(ディーゼル車は11年)には、重量税や自動車税に対して、通常より重い税率が課せられているのが現状です。
ところが、自動車の平均使用年数や平均車齢が長くなっている現代では、走行距離などの使用実態や環境への負荷を考慮しない車齢による一律課税は合理性・公平性に欠け、ユーザーの負担を重くすることからも、JAFでは廃止を求めています。
なお、アンケート調査でも76.5%のユーザーが、「車齢だけで一律に重課することには反対」と回答しました。
まとめ
今回は、JAFが作成公開した「2024年度税制改正に関する要望書」について、紹介をいたしました。
ガソリン価格が高騰している現在において、多くのユーザーが税負担の軽減化を望んでいることが、今回のアンケート結果から、おわかりいただけたかと思います。
多くのユーザーの声を反映した今回の要望書の内容が、今後の自動車税制に反映されていくことを願いたいものです。
【参考】
● JAF(一般社団法人日本自動車連盟)「2024年度税制改正に関する要望書」