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全国のガソリンスタンドの数は1994年には約6万軒とピークを迎えましたが、以後は店舗数が年々減少してきました。
またガソリンスタンドの形態も、スタッフが給油をしてくれるフルサービススタンドから、ユーザーが給油を行うセルフスタンドへと様変わりしています。
近年ではHEV車など低燃費車の台数が増加していることから、ガソリンや軽油の消費量が以前より減少していますが、日本の車社会にとってガソリンスタンドは、まだまだなくてはならないものです。
そのような中で、ガソリンスタンド情報共有サイト「gogo.gs」が2023年4月14日に、2022年のガソリンスタンド軒数の増減について発表しました。
今回は発表された内容と、ガソリンスタンドが減少した際のユーザーへの影響についても併せて紹介いたします。
このページの目次
ガソリンスタンドが減少する理由
2010年代前半は、2011年6月に消防法「危険物の規制に関する規則」が改正されて、適用する施設へ改修ために多額な費用を必要とすることを理由に、多くのガソリンスタンドが閉店しました。
2020年代では、コロナ禍の外出自粛によりガソリンや軽油の需要が大きく減少したことに加えて、脱炭素化社会に対応するためにHEV車やEV車などが普及してきたことも需要の減少を招き、ガソリンスタンドの経営を圧迫する理由の一つとして考えられるようです。
また地方では人口減少により需要が減少したことが理由でも、ガソリンスタンドの数が減っています。
ガソリンスタンドの数はピーク時の半数を大きく下回る
閉店数が新規開店数の7倍以上に
「gogo.gs」の発表では、2022年の全国のガソリンスタンドの閉店数は555軒、一方で新規開店をした数は76軒と7倍以上の開きとなっています。
ちなみに2021年は閉店数が539軒で、新規開店数は92軒となっていますので、2022年は閉店数が増加して新規開店数が減少したことから、ガソリンスタンドの減少ペースが加速したといえるでしょう。
新規開店では独自ブランドが約4割に
「gogo.gs」の発表では、2022年に新規開店したガソリンスタンドのうち、約4割が独自ブランドで、石油元売り系は約6割に留まりました。
既存のガソリンスタンド全体では石油元売り系が約9割を占めていることから、新規開店する店舗では独自ブランドの比率が高まってきていることが判ります。
閉店だけでなく、リニューアルするスタンドも多い
「gogo.gs」の発表では閉店する店舗だけでなく、2022年はリニューアルするガソリンスタンドも152軒と、新規開店する数の2倍にとなりました。
またリニューアルオープンする際には、セルフスタンドに転換する店舗も多いようで、昨今ではガソリンスタンド全体の4割近くに達しています。
ガソリンスタンド減少でユーザーへの影響は?
給油の際に近くにガソリンスタンドがない地域も
資源エネルギー庁が2020年に行った調査では、全国の自治体の中でガソリンスタンドの数が3軒以内の市町村は343存在し、まったくない自治体が10町村にのぼるそうです。
このまま地方のガソリンスタンドの閉店が続くと、ガソリンの給油だけでなく暖房のための灯油購入にも、大きな支障をきたす恐れがあります。
車のトラブル時にも困ることが考えられます
ガソリンスタンドでは、給油の際にタイヤの空気圧やオイルの量などをチェックしてもらうことができます。
また、出先でのパンク修理やオイルなどの補充など、ガソリンスタンドで応急措置を受けられた経験をお持ちの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
これらのサービスが、ガソリンスタンドが減少することで、受けにくくなることが考えられます。
故障時にはロードサービスを呼ぶことも可能ですが、到着まで時間が掛かる場合も多いので、利便性の低下が危惧されるところです。
まとめ
今回は2022年のガソリンスタンド店舗数の増減と、ガソリンスタンドが減少した際のユーザーへの影響について紹介いたしました。
ガソリンスタンドはただ給油をするだけではなく、車のチェックや暖房用灯油の供給、緊急時の避難場所など、日常生活にも重要な役割を果たしています。
今後もEV車化が促進される中で、充電スポットを整備していくと同時に、ガソリンスタンドの地域での役割も考えていく必要があるのかもしれません。
【参考】
● ガソリンスタンドは1年間でどのくらい開店・閉店する!? 【2022年度まとめ】