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みなさんがご存じのように、国産車の車名にはクラウンやノート、フィットなど、外来語由来でカタカナ表記のものが数多くみられます。
中には外来語を組み合わせた造語のものも少なくなく、どのような意味があるのか想像できないものもあるようです。
その反面で日本語由来のものは少なく、サクラやキザシ(生産中止車)、MIRAIなど、数えるほどしか思い浮かばないかと思います。
また、ドイツ車で多く見られるような、アルファベットや数字を単独で使用したものや組み合わせた車名が、国産車でもいくつか見受けられるようです。
このように車名には、いろいろなパターンがありますが、今回は国産車の車名について、その命名の由来やネーミング秘話を紹介いたします。
このページの目次
車名は商標登録したものが使われています
自動車メーカーが車名を新たにつける際には、他社に利用されないように商標登録を行います。
商標登録は車に限らず、家電や食品などあらゆる商品で登録されていますので、その車名を使用したくても使えないことが少なくないので、実際にはあらかじめ車名に使いそうな名前を、いくつか商標登録していることも少なくないようです。
そのため、他社が登録している商標をどうしても車名に使いたい時には、買い取りすることや、借りることも現実に行われています。
また、国内で販売している車種を輸出する際に車名を変えるケースもありますが、これも輸出先ですでに商標登録されているために使えないことや、その国ではスラングになってしまうことが主な理由とされています。
歴史がある車種に多い?外来語由来の車名
クラウンは「王冠」、王座の印が車名の由来
クラウンはトヨタの中でも歴史が長い車種ですが、英語で王冠を意味する「Crown(クラウン)」から命名されました。
1955年に登場したクラウンは、トヨタの高級車として「国産車を常にリードし続ける王座の印」といった意味が、込められているそうです。
カローラは花の冠、美しさが車名の由来
トヨタのベストセラーカーのカローラは1966年に初代が登場しましたが、英語で花の冠を意味する「Corolla(カローラ)」が車名の由来になります。
「人目をひく、美しいスタイルのハイ・コンパクトカー」をイメージして、カローラの名称が採用されたそうです。
スカイラインは山の稜線!ネーミングの秘話
日産を代表する歴史ある車種のスカイラインは、1957年に富士精密工業(のちのプリンス自動車工業)によって初代が登場しました。
当時の同社の会長はブリジストンの創業者でもある石橋正二郎氏、ブリジストンのゴルフボールに「ブルースカイ」や「スカイウェイ」が使用されていたことから、同じく空にちなんだ英語で「山並みと青空を区切る稜線」を意味する「Skyline(スカイライン)」から、スカイラインが車名に選ばれたそうです。
*プリンス自動車工業は1966年に日産自動車と合併しました
レガシーは伝承、遺産の意味もあります
スバルの普通車のラインナップではもっとも古くからある車種がレガシーですが、1989年に初代が登場しています。
レガシーは英語で伝承や遺産を意味する「Legacy(レガシー)」が車名の由来ですが、「SUBARUの伝統的な技術を受け継ぎながら、それを新時代に向けて熟成・集大成した車」という意味が込められているそうです。
なるほど、水平対向エンジンや乗用車タイプの4WD技術など、スバルの伝統技が伝承されていますね。
アルトの由来はイタリア語、ラパンはフランス語が由来
スズキの代表的な軽自動車のアルトですが、1979年に初代が登場しましたが、イタリア語で秀でた、優れたなどを意味する「Alto(アルト)」が車名の由来になっています。
また、同社の軽自動車ラパンの車名は、フランス語でうさぎを意味する「Lapin(ラパン)」から命名されているそうです。
造語の車名も少なくありません
ヤリスの車名はギリシアの神々が由来の造語
トヨタを代表する小型車のヤリスですが、その名前の由来はギリシア神話に出てくる神々の名前の語尾によく使われる 「is 」(Charis カリスなど)に、ダイナミックな音である「Ya(ヤ)」を組み合わせた造語になります。
フリードの車名は、自由が由来の造語
ホンダのミニバンのフリードは、英語で自由を意味する「Freedom(フリーダム)」に、行動することを意味する「Do」を組み合わせた造語が車名になっています。
どこまでも自由な発想で追い求めた車といった意味が、車名に込められているそうです。
まとめ
今回は国産車の車名について命名の由来を紹介いたしました。
車名には自動車メーカーの思いや願いが込められていて、由来を調べてみるとなかなか興味深いものです。
また、つけられた車名によって、ユーザーの車に対するイメージも大きく変わってくるので、新しく車名を命名することは販売にも影響を与える可能性がある、重要な作業だと考えられるでしょう。
今回は数ある国産車の中で一部の車名由来の紹介になってしまいましたが、まだまだ他にも興味深い車名の由来がございますので、機会をみつけて紹介できればと思っています。
【参考】
● トヨタ自動車「豆知識 車名の由来」