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ゲリラ豪雨で車が水没は車両保険の補償が受けられます。
今年も梅雨時に各地でゲリラ豪雨や雹(ひょう)、竜巻などによる災害が発生しました。
ゲリラ豪雨などで道路が冠水してしまい、途中で動けなくなった車をニュースなどで見掛けますが、中には電気系統やエンジンに水が入ってしまい、修理不能な状態になってしまう車もあるようです。
また、突然の雹(ひょう)でルーフに凹みができてしまい、高額な修理費がかかってしまうことも実際に起きています。
このような突然の天災による愛車への経済的損失は、自動車保険の車両保険による補償などで自衛手段を考えておきたいものです。
今回は水没などによる天災で、車両保険で補償が受けられる場合と受けられない場合、その他の注意点などを中心に紹介してまいります。
このページの目次
車両保険には2つのタイプがあります
自動車保険の車両保険は、2020年3月現在では、自家用普通乗用車が62.3%、自家用小型乗用車が51.9%(損害保険料率算出機構 2020年度調査)と、加入率は半数を上回りました。
車両保険は自車への損害に対して補償を受けられるものですが、オールリスクな補償を受けられる「一般型」、当て逃げや自損事故、自転車などナンバーがない(または不明な)車両との衝突による自車の損害には補償されない、「エコノミー型(車対車+限定Aなど)」の2つのタイプに分けられます。
なお、エコノミー型は補償が限定されるので保険料が一般型よりも安くなりますが、どちらのタイプでも水没など天災による損害時には一部の天災を除いて、補償を受けることが可能です。
保険金が支払われる場合と支払われない場合
車両保険に加入していても、天災の種類などによっては補償を受けられない場合もありますので、補償を受けられる場合と合わせて紹介していきます。
水没以外にも落雷・竜巻・台風などによる損害補償されます
落雷・竜巻・台風・洪水・高潮・雹‘ひょう)を原因として、車両が水没や風害などの損害を受けた際には、車両保険の一般型、エコノミー型のどちらかに加入していれば補償を受けることが可能です。
ゲリラ豪雨などによる駐車中などでの水没は補償の範囲に入りますが、視界が悪くて誤って川へ転落したことによる水没などは、エコノミー型では補償されない場合もありますのでご注意ください。
また、一部の保険会社では、保険料を抑えるために自宅車庫などでの水没は補償しない選択ができるものもありますので、加入時に注意が必要となります。
地震・津波・噴火などは一般的に補償されません
一般型とエコノミー型のどちらも、地震や噴火によって起きた火災による損傷や、地震や噴火が原因の津波による水没など、地震・津波・噴火が原因で車両が損害を受けた際は、原則として補償の対象外となります。
ただし、保険会社によっては補償の上限金額を定めて、その範囲内での補償を受けることができる特約を扱っている場合もありますので、ご加入中の保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
車両保険で補償を受ける際の注意点
天災による車両の損害で車両保険の補償を受ける際は、注意すべき点がいくつかありますので、ここで紹介していきます。
自動車保険の割引等級が下がります
通常の事故などで車両保険を使うと保険の割引等級は翌年に3等級下がりますが、水没など天災による損害は翌年更新時に1等級下がります。
さらに、事故有係数適用期間(保険料に影響する割増引係数で、新規時は0から始まります)が1年間つきますので、割引等級が下がることと合わせて、翌年以降の保険料が上がることになりますので、補償を受けられる額と翌年以降の保険料上昇分を比較してみることが必要です。
車両保険の補償を受けたほうが良いか迷った際には、ご加入の保険会社や保険代理店に相談してみることをおすすめします。
車両保険の免責額にも注意が必要です
車両保険の免責額(損害額の自己負担分)が1回目5万円-2回目以降10万円など設定されている場合は、損害額と免責金額によっては保険を使わないほうがよい場合もあります。
例えば、7万円の損害額で免責額が5万円の場合は、車両保険で補償される金額は2万円です。
前項で紹介しました割引等級が下がることや、事故有係数適用期間で翌年以降の保険料が高くなることを考えると、補償を受けることで出費が増える場合も、じゅうぶんに考えられます。
この点につきましても、車両保険の補償を受けたほうが良いか迷った際には、ご加入の保険会社や保険代理店に相談してみるとよいでしょう。
車両保険についてのまとめ
今回は、ゲリラ豪雨や台風の洪水による水没や地震などの天災による車の損害で、車両保険の補償が受けられる場合と受けられない場合、また注意点について紹介してきました。
近年では線状降水帯による豪雨など、かってない水害をもたらす異常気象が毎年のように発生しています。
突然の災害による車の高額な修理費用や買い替え費用が、家計に重大な影響を及ぼすこともないとはいえません。
今回紹介しましたように、車両保険をリスク回避のひとつの手段として考えてみることも、よいのではないでしょうか。
なお、今回の記事は2022年6月末現在の自動車保険について執筆いたしましたが、保険会社によっては補償内容の違いや変更がある場合もございますので、保険加入時や補償を受けられる場合には、保険会社または保険代理店にご確認をお願い致します。
今回の記事を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
【参考】損害保険料率算出機構-自動車保険の概況2020年度調査